句読点ミュージック│Mid – June

その日の気持ちに区切りをつける「句読点ミュージック」を選んで紹介。

13:Friday Night Plans ― 境界を漂う都市の質感

東京を拠点に活動するボーカリスト・Masumiを主体とした音楽プロジェクト。

日本人の父とフィリピン人の母を持ち、歌手である母の影響で幼少期から歌唱に親しむ。高校から大学3年までボーカルスクールに通い、プロデューサー・starRoの目に留まったことを機に音楽活動が本格化。

2018年に始動した「Friday Night Plans」という名称は、金曜の夜に何をして過ごそうかと期待を膨らませる高揚感から名付けられた。

竹内まりやの「プラスティック・ラブ」のカバーで海外からも評価を得るなど、その歌唱力と柔軟な感性は特筆に値する。

当初はR&Bを基調としたダンスポップを展開していたが、近年はプロデューサー・ENAとの共作などを通じ、アンビエントや実験的なサウンドへとアプローチを広げている。

都市の夜を思わせる浮遊感と、ジャンルを横断するソリッドな質感は、日常をチューニングする時間の背景に馴染む。

14:springtide ― 有機的な電子音が描く、東京発のインストゥルメンタル

東京を拠点とするワンマンバンド・プロジェクト「springtide」。

2008年にアルバム『Just Before April』を発表し、2015年の『This is the End』など、アコースティックギターをはじめとする生楽器とエレクトロニクスを融合させた実験的なアプローチで独自の立ち位置を築いてきた。

2026年4月にリリースされたダンス/エレクトロニック系のシングル「Southern Breeze in June」に至るまで、コンスタントにインストゥルメンタル作品を展開している。

そのサウンドは、ポストロックやフューチャーファンク、アンビエントなど多様なジャンルを横断する構造が主体となっている。シンセサイザーのソリッドな電子音と、ギターの有機的な響きがシームレスに同居するバランスが特徴。

感情を過剰に煽ることなく、淡々と刻まれるビートと浮遊感のあるメロディラインは、都市の喧騒から少し距離を置き、日々の歩調や思考のノイズを静かにチューニングする時間の背景として機能する。

15:Jambo Lacquer & Olive Oil ― 深度と温もりが交差するビート

大阪を拠点とするヒップホップクルーWARAJIのフロントマンであり、メロウで人間味あふれるグルーヴを紡ぎ出すJambo Lacquer。そして、福岡を拠点にクリエイティブ・レーベルOILWORKSを主宰し、世界的な評価を集めるプロデューサー・Olive Oil。両者の共作は、互いの持ち味を最大限に引き出す特異なバランスの上に成り立っている。

奄美大島にルーツを持つOlive Oilが構築する、ジャズやエレクトロニカをシームレスに溶け込ませた複雑でソリッドなビート。そこに、Jambo Lacquerの肩の力が抜けた滑らかなフロウと温かみのある声が乗ることで、特有のレイドバックした空間が生まれる。

ヒップホップの枠組みを超えた重厚かつオーガニックな音像は、都市の喧騒から少し距離を置き、自身の内面や歩調をチューニングする時間の背景として静かに機能する。

この記事を書いた人

妻と愛犬ジェイド(女の子)と暮らしています。 老眼鏡を新調したのを機に、積読していた本を少しずつ読み始めました。

派手な生活ではありませんが、犬と眼鏡と本と音楽とコーヒーあれば十分。そんな日々の断片を、記憶がわりに書き留めています。