Mid October│句読点ミュージック

空気は、日ごとに透明度を増し、思考の輪郭を際立たせる。夏の喧騒が遠のき、世界は静かなトーンへと移行する季節である。

このような時期には、内省的な時間が自然と生まれる。情報過多な日常から離れ、自らの心と対話するための音楽が求められるだろう。

今週は、思考のノイズをそぎ落とし、感覚を研ぎ澄ますための二つの楽曲を選出した。それらは聴き手の内面に深く寄り添い、静謐な余白をもたらす存在である。

#39:スネオヘアー – ワルツ

スネオヘアーこと渡辺健二は、シンガーソングライターとしてのみならず、俳優や音楽プロデューサーとしても活動を展開する多様な才能を持つアーティストである.。そのユニークなアーティスト名は、入浴後の自身の髪型がアニメキャラクターに似ていたことに由来するという。

「ワルツ」は2005年にリリースされたシングルであり、都会的な洗練を纏ったサウンドが特徴的。抑制の効いたビートとメロディラインは、聴く者の耳に優しく、そして深く響く。

アニメ「ハチミツとクローバー」のエンディングテーマとして広く親しまれたこの楽曲は、日常の微細な感情の機微を肯定的に包み込む. 「引力」をモチーフとした歌詞は、内なる葛藤と調和を静かに描き出す。

#40:米津玄師 – Orion

米津玄師は、作詞作曲、歌唱、イラストレーション、映像制作までを自身で手掛ける、稀有なマルチクリエイターである。 かつては「ハチ」名義でボーカロイド楽曲を発表し、インターネット音楽シーンに多大な影響を与えた。

2017年に発表された「Orion」は、ヒップホップやトラップといったジャンルの要素を取り入れた、先鋭的なトラックメイキングが際立つ一曲である.。硬質でありながらも幻想的な響きを持つサウンドは、聴き手を独自の音世界へと誘う。

アニメ「3月のライオン」のエンディングテーマとして書き下ろされた本楽曲は、米津玄師自身が追求する「美しさ」が色濃く反映されている。洗練されたアレンジと普遍的なメロディが融合し、聴く者の感性を静かに刺激する。

この記事を書いた人

妻と愛犬ジェイド(女の子)と暮らしています。 老眼鏡を新調したのを機に、積読していた本を少しずつ読み始めました。

派手な生活ではありませんが、犬と眼鏡と本と音楽とコーヒーあれば十分。そんな日々の断片を、記憶がわりに書き留めています。