Fosi Audio V3 レビュー|中華アンプのおすすめを探して買った小型パワーアンプの、正直な使用感

手持ちのスピーカーを鳴らすために、安くて小さいアンプを探していました。そこで行き着いたのが、いわゆる中華アンプのおすすめとしてよく名前が挙がる Fosi Audio V3 です。

私の使い方はかなり素朴で、iPhone の Spotify でジャズを流すだけ。スピーカーも高価なものではありません。それでも十分に満足できているので、その理由と、逆に「ここは人を選ぶな」と感じた点を書きます。

数万円のアンプを買うほどではないけれど、パソコン用スピーカーやミニコンポの音から一歩進みたい。そんな方の判断材料になれば嬉しいです。

総評:この価格帯なら、Fosi Audio V3 は中華アンプのおすすめ筆頭

音は素直にクリアです。そして、強弱と硬軟がちゃんと出ます。ピアノの打鍵の強さ、ブラシがシンバルを撫でる柔らかさ。そこが平板に潰れないので、ジャズを聴いていて退屈しません。

正直、私のスピーカーは立派なものではありません。それでもこの表現力が出るのだから、価格に対する完成度はクラストップだと思います。

向いているのは、机の上やリビングの一角に小さく置いて、手持ちのスピーカーを気軽に鳴らしたい人。逆に、入力を何系統も切り替えたい人や、リモコンで操作したい人には向きません。操作系は驚くほど割り切られています。

実際に使ってどうだったか

普段の構成はシンプルで、iPhone の Spotify を音源に、V3 を通してスピーカーを鳴らしています。聴くのはほとんどジャズです。

まず驚いたのは本体の小ささでした。文庫本(300ページ)2冊くらいの厚さ。机の隅に置いても邪魔になりません。金属筐体で、見た目より詰まった感触があります。安っぽさは感じませんでした。

今は懐かしいiPhoneSE2と比較。縦はほぼ同じ。一般的なスマホと奥行きは同サイズと考えて良い。

音の第一印象は「濁らない」でした。ベースの輪郭がぼやけず、サックスの息の成分もちゃんと聞こえます。音量を上げても粗くならないので、夜に小さく鳴らすときと、日中しっかり鳴らすときで、どちらも破綻がありません。

良かった点

  • この価格でクリアな音。音の濁りや荒さを感じない
  • 強弱・硬軟の表現が出る。ジャズのニュアンスが平板にならない
  • 本体が小さく、置き場所を選ばない
  • 金属筐体で質感が価格以上
  • 低音・高音のつまみが実用的。部屋やスピーカーの癖を軽く補正できる
  • 余計な機能がなく、迷う要素がない

いちばんの美点は、安いアンプにありがちな「音が薄い・硬い」という感じがしないことです。小音量でも痩せません。

スピーカーが控えめでも差が分かるので、まずアンプから入れ替えるという順番でも十分に効果を感じられました。

気になった点

  • 電源スイッチがボリュームつまみと兼用。ここが地味に使いづらい
  • 入力はアナログのみ。スマホと直結はできず、間に何か挟む必要がある
  • リモコンがない。手を伸ばして操作する前提
  • 電源はACアダプター駆動。アダプターがかさばる

いちばん引っかかるのは電源まわりです。つまみを押して入切する方式なので、シンプルの極みではあるのですが、オンオフのたびにボリュームに触れることになります。問題ない範囲ですが、独立した電源スイッチが欲しいと思うことは今でもあります。

どんな用途に向くか、向かないか

向いているのは、パッシブスピーカーを一組だけつないで、ひとつの音源をゆっくり聴く使い方です。デスクトップオーディオや、寝室・書斎のサブシステムにちょうどいいサイズと機能でした。

向かないのは、テレビ・レコード・PC など複数機器を切り替えて使いたい場合。入力を切り替える機能はないので、別途セレクターが必要になります。

中華アンプは各社から似た価格帯の製品が出ていますが、Fosi Audio V3 は機能を削って音と質感に振った製品だと感じます。多機能さで選ぶなら他社にも候補はありますし、シンプルさを美点と取れるかどうかが分かれ目です。

基本情報

  • 製品名:Fosi Audio V3(ステレオパワーアンプ)
  • 形式:D級(デジタル)アンプ。TI製 TPA3255 を採用
  • 入力:RCA アナログ入力
  • 操作系:ボリューム
  • 電源:付属ACアダプター駆動。上位の電源を使うと最大出力が上がる仕様
  • 価格帯:1.5万円前後(セールや同梱電源の違いで変動)

出力値や付属電源の仕様は販売時期・セット内容で変わります。購入前に公式または販売ページで最新の記載を確認してください。

よくある質問

スマホを直接つないで使えますか

直接はつなげません。入力はアナログのRCAなので、スマホの音をアナログに変換する機器やケーブルが別途必要です。私も iPhone の Spotify を音源にしていますが、間に変換を挟んで鳴らしています。

安い中華アンプで音質は本当に十分ですか

高級機と同じ、とまでは言いません。ただ、価格を伏せて聴かせても「安物」とは思われない水準です。少なくとも私の環境では、音の粒立ちや強弱の表現に不満は出ませんでした。

電源を切るたびに音量が変わってしまいますか

つまみを押し込む操作なので、そっと押せば音量位置はほぼ保たれます。ただし勢いよく操作すると触れてしまうことはあります。電源投入前に音量を絞る癖をつけておくと安心です。

高い機材に囲まれていなくても、音楽が少し丁寧に鳴るだけで、部屋で過ごす時間の質は変わります。手持ちのスピーカーをもう一段よく鳴らしたい、けれど予算は限りたい。そんな人にこそ Fosi Audio V3 は合うと思います。

電源スイッチの件だけは今も少し不満です。それでも、毎晩ジャズを流しながら「これで十分だな」と思えているので、買ってよかった一台です。

この記事を書いた人

妻と愛犬ジェイド(女の子)と暮らしています。 老眼鏡を新調したのを機に、積読していた本を少しずつ読み始めました。

派手な生活ではありませんが、犬と眼鏡と本と音楽とコーヒーあれば十分。そんな日々の断片を、記憶がわりに書き留めています。