読書– category –
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64( 横山秀夫著/文春文庫)
【執念。この一言に尽きる。】 登場人物のそれぞれの執念(事件への執念、前職への執念、今の仕事への執念、復讐の執念、悔恨の執念、家庭への執念、居場所への執念、自分であることへの執念)そして、筆者のなんとしても書ききるという執念。 前半は我慢... -
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二流小説家( デイヴィッド・ゴードン著、 青木千鶴(翻訳)/ハヤカワ・ミステリ文庫)
【積み重ねてきた過去は裏切らない】 この話はミステリーが主ではない。主人公の成長がたまたまミステリーという場に存在しただけで、別にスポ根ものであったり、宝探しの話でも良い。つまりは積み重ねてきた過去は本人の意図する、しないに関わらず、裏切... -
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辺境・近境(村上春樹/新潮社)
【「?」そのあとの「!」】 本を読んでて「?、読んだことあるかも?」ということが何冊かある。この本は僕にとってまさにその類の本で、メキシコのあたりから「?」になり、香川の讃岐うどんで「!」となるのである。もう5回くらい読んでいるかも。しか... -
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きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で)(宮藤官九郎/太田出版)
【青春群像劇の金字塔、ここに現れる】 郷愁と苦渋と恥辱にまみれた男が立ち上がる。その名は、宮藤(みやふじ)。宮城の男。自伝的恥小説で、内容は下ねたのオンパレードだが、確実に同じものを見て、聞いて、読んだ世代にはハートをずっきゅんと射抜かれ... -
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桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ/集英社)
【高校生にとって「覚悟」とは】 「桐島、部活やめるってよ」というタイトルだが、時系列的には「桐島、部活やめたってよ」が正しい内容だと思うがやはり「やめるってよ」がすべてを物語っている。 桐島は、部活をやめることを登場人物たちに誰一人として... -
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転がる香港に苔は生えない (星野博美/文春文庫)
転がる香港に苔は生えない 【これは返還期の香港の話】 返還期の香港にまさに入り、感じたことを赤裸々につづる筆者。変わり続ける香港がもしかすると止まるかもしれない返還。これまでの香港に「慣れる」ために、様々な人の話をきき勉強していく筆者。 環... -
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走ることについて語るときに僕の語ること(村上春樹/文藝春秋)
【どうして村上春樹の読み物は、村上春樹なのか】 村上春樹が走ることが好きなことは有名だが、この本は別にマラソン本というわけではなく、走ることは素晴らしい(もちろんそうだが)と語っているものではない。 走ることを通じて、彼が本能と経験を通じ... -
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道化師の蝶(円城塔/講談社)
道化師の蝶 【世界は澄み切っているけど混濁している】 個人的には非常に面白かった!もともと芥川賞は結果で、その芥川賞自体の意味がわかんないものが多いんだから、意味を考えると拒否反応が起きて当たり前。 この本は螺旋的構造とかパラレルワールドと... -
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解錠師(スティーヴ・ハミルトン 早川書房)
解錠師 【唯一自分の意志で開けた鍵は恋人の心】 この年のこのミス海外作品1位受賞作品。 アメリカなどでは技術レベルの高い錠前技術者は「ロックスミス(Locksmith)」と呼ばれ、マイスター(上級技能者)として高い社会的地位が与えられる。それでは、...
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