記事一覧
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転がる香港に苔は生えない (星野博美/文春文庫)
転がる香港に苔は生えない 【これは返還期の香港の話】 返還期の香港にまさに入り、感じたことを赤裸々につづる筆者。変わり続ける香港がもしかすると止まるかもしれない返還。これまでの香港に「慣れる」ために、様々な人の話をきき勉強していく筆者。 環... -
走ることについて語るときに僕の語ること(村上春樹/文藝春秋)
【どうして村上春樹の読み物は、村上春樹なのか】 村上春樹が走ることが好きなことは有名だが、この本は別にマラソン本というわけではなく、走ることは素晴らしい(もちろんそうだが)と語っているものではない。 走ることを通じて、彼が本能と経験を通じ... -
道化師の蝶(円城塔/講談社)
道化師の蝶 【世界は澄み切っているけど混濁している】 個人的には非常に面白かった!もともと芥川賞は結果で、その芥川賞自体の意味がわかんないものが多いんだから、意味を考えると拒否反応が起きて当たり前。 この本は螺旋的構造とかパラレルワールドと... -
解錠師(スティーヴ・ハミルトン 早川書房)
解錠師 【唯一自分の意志で開けた鍵は恋人の心】 この年のこのミス海外作品1位受賞作品。 アメリカなどでは技術レベルの高い錠前技術者は「ロックスミス(Locksmith)」と呼ばれ、マイスター(上級技能者)として高い社会的地位が与えられる。それでは、...